「友田家」は「ともだち」と読みます。また酒場は思わず「ただいま〜」と言ってしまいそうな古風な日本家屋になっています。メニューには日替わりのオススメ銘柄が記載しているのですが、毎日同じお酒は置かないのが僕のこだわりです。広島のお酒はもちろん、海外で販売されている日本酒も置いてあり、お酒好きにとってはたまらない空間になっていると思います。僕は日本酒の輸出業をしていたこともあって、それぞれのお酒の一番美味しい飲み方や、ルーツもお客様にご紹介できます。本格的な辛口の日本酒から、甘いリキュールまで品揃えが豊富なので自分好みのお酒を発見できると思います。
この家は祖父母が代々継いできた家でしたが、亡くなってからはずっと空き家になっていました。草も伸びっぱなし、瓦も壁もボロボロで…。一方その頃自分は、海外へ留学をしていた繋がりもあり、地元を離れ日本酒の輸出の仕事をしていました。海外にいた経験から、今まで身近だった純日本の風景を改めて良いと思うようになったんです。
そこで、なんとかあの空き家を有効活用できないか考えた結果、“もったいない”空き家をリノベーションして若い目線から日本の良さ、日本酒の良さを発信していく場所にしたいと考えました。しかし、ながいあいだ空き家だった家を改装することはとても簡単ではありませんでした。まずは庭の土を慣らすために、ショベルカーのライセンスを取得するところから始めました。一人ではできない作業は、友人を呼んで協力してもらいました。例えばボロボロだった土壁を剥がして塗り替えたり、庭にあった重たい石も一緒に汗だくになって運んだり、大変な作業でした。そのお礼に、夜は料理やお酒を振る舞ったりしていました(笑)。大変でしたが、みんながこの家を通じて交流し、大変な作業の中にも笑顔が常にあって、自然とこのお店のビジョンが見えてきたんです。
僕は海外との繋がりがあって、海外の友人がお店に遊びに来てくれることが多いんです。過去には韓国人の友人が遊びに来てくれて、ホームパーティーのような形で近隣の人も交えて韓国料理をみんなで食べたりしました。
今後は、近隣のおじちゃんおばちゃんにも参加していただいて、郷土料理や陶芸、俳句などをレクチャーしていただくイベントも視野に入れています。老若男女を巻き込み、地元を国際交流の場所にできたらとても素敵ですよね!お酒を知ってもらうことはもちろん、外国人の方も純日本の風景や文化を楽しんでくれますし、近隣の方にとっても交流が刺激になると思っています。
広島県広島市出身。大学を卒業後、香港に「ROOKSTAR HONGKONG CO,.LTD」を設立、香港に移籍。その後も語学留学や免許取得の為、海外を飛び回る。日本に帰国後、日本酒の輸出業を開始し、「ふるcafé&酒場 友田家」のリノベーションを開始し、2016年5月にオープン。経営の傍ら、日本酒のイベント等にも参加し日本酒の啓蒙活動に取り組む。