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志和で学びの場を拓く。寺子屋を設立した思い – 笠井礼志

2017年8月16日
人口が増加傾向にある19万人の都市、東広島。
しかし、その北西に位置する志和町は少子高齢化、人口減少が進んでいる。公共交通のアクセスが悪く、学生が関わりを持ちにくい志和町に寺子屋を設立した笠井礼志(以下、笠井)さん。子どもたちに学びの選択肢を多く与えたいと願う笠井さんに、寺子屋設立の思いと今後の抱負について伺いました。

志和町に寺子屋を設立した経緯を教えてください

2014年から志和町に住み始めたことが設立の大きなきっかけになっています。元々、志和町にはボランティアを通じて出来た人との縁がありました。大学4年時に先輩がシェアハウスをつくるというので、この町に住み始めました。

志和町は山も川もあり自然豊かな場所である反面、町に図書館などの公共の学習スペースがありません(古民家利用の図書室ほたる荘が2017年民間開設)。私塾の数も少なく、子どもが家と学校以外で勉強に取り組める第三の場所があればいいだろうな、と思っていました。志和町には自然があふれ、人と人との豊かな関係性があり、そこから学べることは沢山あります。ただ大学で4年間「教育」について勉強し、多くの学生とのつながりがある自分ならではの「学びの場づくり」が出来るのではないか、と思いました。そんな事を考えていたタイミングで、地元の方に木造旧家を貸して頂けることになり、一念発起して「寺子屋こんこん」を始めました。

実際に「寺子屋こんこん」の設立に踏み切れた背景には、大学時代の経験が大きかったです。私は「OPERATIONつながり」という学生ボランティア団体に所属し東北ボランティアに参加していました。そこで高橋大海さんという人物に出会います。彼は東日本大震災の後、被災地の支援活動を始め、広島大学から東北へ学生ボランティアを送り出す基盤を作りました。彼がそのように活動する姿を見て、「社会にない仕組みを自分で作っていく」ことが出来るのか、と衝撃を受けました。

その後、大学4年生時に休学をして福島県喜多方市のNPOでインターンに9カ月間参加しました。喜多方の町には、地域をより良くしようと、知恵を絞って、町の課題に挑戦する大人たちに出会いました。自ら町を楽しく活気ある場所にしていこうとする彼らの生き方を見て、心からカッコいいと感じました。地域を大切にする生き方に憧れを持ったのは、これらの経験があったからです。その経験があったからこそ、志和町で「学びの場づくり」をしたいという思いが生まれたのだと思います。

 

[360度画像] 子どもたちの学習を見守る笠井さん

学習環境提供のうえで大切にしていることはなんですか?

自ら学ぶ姿勢と広い視野を身に付けることを軸に運営しています。

「寺子屋こんこん」は、講義形式ではなく自習スタイルをとっています。
子どもたちには自分自身で勉強するサイクルを回す力を身に付けてほしいと考えているからです。具体的な授業の流れを言うと、それぞれの子どもに適した学習課題を与え、子どもが一人一人自分で課題に取り組みます。課題が終わると、私と一緒に分からなかった箇所を確認し、次の課題へと移っていきます。できる限り、単に答えを教えるのではなく、ヒントを与えながら子どもが自分自身で正解を導き出せるように意識して指導にあたっています。

また二か月に一度ではありますが、「特別授業」という学びの場を提供しています。この特別授業では、子どもが興味を持っていることをテーマに選んで授業にします。例えば「ゲーム」に関心の高い子がいると、その根っこにある技術の「プログラミング」をテーマに選び、プログラミング教室を開きます。「開発途上国」に興味を持った子が居れば、国際協力を専門に学ぶ学生を招いて、国際協力についての授業を行います。自分が興味を持っている事への子どもの意欲は高く、毎回、面白い学びの場が生まれます。様々な分野の学習を通して、子どもの関心が広がり、視野の広い子どもが育っていけばいいなと思っています。

寺子屋の活動には様々な学生に関わってもらうことを意識しています。志和町では大学生の多くが町外に出ています。なので、子どもたちが大学生と交流を持つ機会は少ないだろうと思います。そこで「寺子屋こんこん」が子供たちと大学生との一つの交流の場になればと思っています。関わってくれる大学生も活動を通じて、志和町を身近に感じ、好きになってくれているようです。卒業した後も、さらに多くの経験を積んで、志和町の子たちに自分の経験を伝えに来てくれれば最高だなと思っています。

[360度画像] みんなで決めポーズ。非常に楽しそうな雰囲気。

現状の課題と今後の目標について教えてください。

課題として、自分の教科指導力と教室環境の向上が挙げられます。
現在は中学生のみを対象として運営していますが、将来的には小学生や高校生も受け入れたいと思っています。なので、小中高の教科を幅広く指導する力が必要です。また生徒がふとした時に手に取れる文庫、プレゼンテーションに使うホワイトボード、プロジェクターなどのハード面での環境の整備も必要だと考えています。

以上の二つを向上させることで、運営をより安定させたいと思っています。そうすることで、さらに教室環境に投資をしたり、特別授業で他の団体と連携を図ったりと、活動を充実させることが出来ます。

将来的には、「寺子屋こんこん」としてだけではなく、他の事業もやりたいと思っています。例えば、今は学生が気軽に志和の暮らしを体験できるシェアハウスづくりに取り組んでいます。これからもいろいろな方法で、人が楽しめる場所を作っていきたいと思います。それが町の魅力にもつながり、子どもたちの「志和にはこんな楽しいことや、こんな楽しい人がいる」という町自慢が一つでも二つでも増えればいいなと思っています。「寺子屋こんこん」の活動を通じて、子どもたちやスタッフが自分のやりたいことを見つけ、一緒に町の魅力をつくっていけたら、これ以上に嬉しいことはありません。

Profile

1993年、三重県生まれ。広島大学教育学部への入学をきっかけに、広島県東広島市に住み始める。2014年から志和町在住。2016年3月同大学卒。在学中には、広島大学学生ボランティア団体「OPERATIONつながり」(東日本大震災直後「東北の人々のために何かしたい」という思いを持った学生が集まり。2011年3月に発足)に所属し、震災復興ボランティア事業部長を務めた。2015年12月より寺子屋こんこんの代表となる。

寺子屋こんこん Facebookページ
https://www.facebook.com/tem.concon/

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この記事を書いた人
おぐりん
ワンモー編集長。日頃は、某IT企業でエンジニアとして働く傍ら、ワンモーで面白い記事をどんどん投稿するため頑張っています!また、こぐるみプロジェクトとしてコンテンツ作りも行っています。私個人的に関しますお問い合わせは私のWebページ(OGURIN.com)より、ワンモーに関するお問い合わせは本サイトよりお願いします。
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